☀ 100万回の「ありがとう」が起こした奇跡 工藤房美さん

HP 決定1(キャッチ画像) 2月15日、立正佼成会仙台教会にて「市民講演会」(主催:仙台教会「あおばの会」)が開催されました。講演者は工藤房美さん(写真)。工藤さんは子宮頸がんによって余命1ヵ月と宣告された後、「ありがとう」の心と言葉が持つ偉大な力に気づき、その病気を克服されました。本ホームページでは、その当日の講演を要旨でご紹介いたします。

 私は48歳のとき子宮頸がんと診断され、余命1ヵ月との宣告を受けました。しかし、私はいま、こうして皆さまの前で元気にお話しをさせて頂いております。その余命1ヵ月と宣告された私の有り難い体験を、皆さまにお伝えしたいと思います。
 最初にお伝えをしておきたいことは、私は科学や医学というものを否定しているわけではありません。科学や医学は人間が健康で生きていくためには、とても大切なものです。しかし、このような“奇跡”としか思えないことも、現実にあったということで私の話をお聴き頂ければと思います。

「あなたはガンです。余命一ヵ月です。進行が速く手術も無理です」
とお医者さんから伝えられました。子宮への放射線治療を受けますが、それは言葉に表すことができないほどの苦痛でした。そんなとき、私は病床で筑波大学名誉教授の村上和雄先生の『生命の暗号』という本を手にしました。
 夜中、入院先の病院のベッドで一人その本を読んで、私は驚きました。まず、驚いたのは、
“人間の遺伝子のうち、実際に働いているのは全体のわずか5パーセント程度で、その他の部分はまだ眠っている状態だ”
というのです。私はこのときある閃きがありました。
(それなら眠っている残りの95パーセントの遺伝子が目を覚まして、スイッチオンになったらどんなことになるのだろう?)
 そして、さらに驚いたことは、1人の人間がこの世に生まれてくる、そのこと自体が奇跡そのものであるということです。
 人間には一つの細胞の中に遺伝子を含んだ23対の染色体があり、父親と母親の遺伝子の組み合わせをコンピューターが計算すると、私という命が生まれる確率は70兆分の1で、その確率は一億円の宝くじに100万回続けて当選するのと同じ。私はそのとてつもない確率の中で両親から生まれてきて、生きているのです。
 なんと、尊い私の命なのでしょう。そして、その命はこの地球上のすべての人に宿っているのです。私は心の底から(あぁ有り難い。ありがとう)という思いが、溢れて、溢れて、とまりませんでした。
 村上和雄先生の本を読んでいたとき、ふと気がつくと自分が地球の外にいるではありませんか。そして地球を見ている私がいたのです。私はその光輝いている地球を心から愛おしく思いました。そして、私は地球から日本、日本から私がいる九州、熊本、そして病院へと降りて行ったとき、その途中、地球のすべての人間が光輝いている姿が見えました。さらに降りていくと人間以外のすべての生き物が光っています。草も木も動物もすべて光っている。その光の中からは、
「私たちは人間のことを愛しく思っています。人間を支えていきたいのです」
という声までもが聞こえてきました。
 やがて、私が自分の身体に戻った時、その瞬間、
「ばんざーい! 」
と病室で叫んでいました。
(万歳、万歳、人間に生れてよかった!!)
 さらに、続けて私は思いました。
(たとえ余命1ヵ月のこの命であっても、この頂いた命に心からお礼を言って死んでいこう)
そう本気で思いました。自分の身体のありとあらゆるところ、身体の中の内臓、そして細胞、遺伝子、すべてに「ありがとう」と言っていきました。
 その時から、毎日、毎日、何万回、何十万回と「ありがとう」と言い続けました。
 子宮にあるがん細胞も自分の細胞には変わりありません。私はがん細胞にも、
(放射線治療で痛くさせてごめんね)
とまず謝り、そして、心の底から
(こんな尊いことに気づかせてくれて、ありがとう)
とがん細胞に繰り返し、繰り返しいいました。
 不思議なことに、その後、あんなに今まで痛かった放射線治療が少しも痛くないのです。私は「ありがとう」という言葉の不思議なはたらきに、この時生まれて初めて気づきました。
 私たちの一つ一つの細胞に遺伝子という暗号を書き込んだ存在を、村上和雄先生は「サムシング・グレート」(偉大なる眼に見えない何ものか)と名付けました。私はそれ以来、「サムシング・グレート」の存在をはっきりと信じるようになりました。
 私は3回目の放射線治療も痛くありませんでした。
「一ヵ月半後に、また来てください」
というお医者さんの言葉。
(余命1ヵ月だった私があと1ヵ月半も生きられる。有り難い)
 私は次の診察までの1ヵ月半の間、「ありがとう」と言い続けました。
 そしてまた診察台にあがった時、お医者さんが、
「こんなはずはない。がん細胞がなくなって、あなたの子宮が綺麗になっている。信じられない」
とおっしゃったのです。
 その後、肺と肝臓にがん細胞の転移が見つかり、抗がん剤治療を受けることになりました。毎日、遺伝子細胞に「ありがとう」と言っているのに、抗がん剤治療で細胞に迷惑をかけたくないという思いで一度は断りましたが、抗がん剤治療を受けることにしました。
 抗がん剤治療を受け始めると、身体が動けなくなったり、40度の熱が続いたり、やがて髪の毛がばさっと音を立てて落ちました。私はそのとき思いました。
(この髪の毛の一本、一本が私の髪の毛。この髪の毛にも生かされていた)
 人間の髪の毛は10万本ともいわれていますが、抜け落ちていく髪の毛一本、一本に「ありがとう」と言って捨てていきました。「ありがとう。ありがとう」。有り難くて、有り難くて、涙がぼろぼろ、ぼろぼろ流れました。
 私ががんになって決めたことがありました。私の3人の子どもには「辛い」、「悲しい」、「苦しい」というマイナスの言葉はけっして言うまいと誓い、子どもたちの前では努めて明るくふるまっていました。
 毎晩、子どもたちが寝るのは遅いです。だから、毎晩、毎晩、子どもたちが寝たあと、夜中に抜け落ちた髪の毛一本、一本に「ありがとう」と言っていました。毎日続けていると「有り難い」という気持ちが心に降り積もってきます。心が「ありがとう」でいっぱいになり、身体中に「ありがとう」が満ちて、私は病身でありながら“幸せ”が心に満ち溢れ、「ありがとう」と言い続けました。
 ある晩のことです。その日に限って夜の8時半過ぎに子どもたちが寝ました。これはチャンスと思い、さっそく髪の毛一本一本に「ありがとう」と言っていました。
 すると、夜中の12時過ぎに高校2年生の息子が起きてきて、
「お母さん、こんな特別な状況を楽しんでね」
と言ってくれたのです。この時、
(あぁ、私は生まれてこのかた、自分の人生を楽しんで生きて来なかった)
 そんな自分に気づかされ、生まれて初めて息子に、
「生まれてきてくれ、ありがとう」
とお礼が言えました。
 私は、その日から二度とない人生を楽しもうと思いました。そして、私の身体の全身の遺伝子がスイッチオン!になった実感がしました。
 そして、2回目の抗がん剤投与の後、抗がん剤治療をやめ自宅に戻りました。その後も、毎日、毎日、「ありがとう」「ありがとう」と唱えていたところ、その数ヵ月後の検査の結果、私の身体のがん細胞がすべて消えていました。

 私は人間には無限の可能性があると、心底、思っています。私たち一人ひとりが70兆分の1の確率で頂いた命をもって、何か見えない大きな、大きな力、生命によって、生かされ、生きている存在なのです。明るく、前向きに、そんな尊い命を燦然と輝かせていきたいと思います。
 どうぞ皆さん、70兆分の1の確率で頂いた命を生かされているという“事実”“真実”を忘れずに覚えておいてほしいのです。
 そして、私たちには必ず自分を生んでくれた両親がいらっしゃるということも忘れないでほしいと思います。さらに、こんな尊い命を繋いでくださった、たくさんの親がご先祖さまとしていらっしゃることも忘れないでほしいと思います。自分の命、両親、そしてご先祖さまへの感謝の心、有り難うの心こそが、自らの命をもっと、もっと、さらに輝かせてくれると思います。
 どうぞ目に見えない偉大なる存在を信じて、生かされて、生きていってください。本日は、ありがとうございました。

HP 決定2HP 決定3【工藤房美さんプロフィール】
 1958年、宮崎県生まれ。3児の母。48歳で子宮頸がん発病。「余命1ヵ月」と宣告される。その病床で書籍『生命の暗号』(村上和雄著)に出合い、遺伝子の働きに深い感銘を受け、60兆個の細胞に感謝し、抜け落ちた髪の毛1本1本にも「ありがとう」を言い続ける。10ヵ月後、ガンは完治。現在、熊本でインド・ネパール料理店を営むとともに、村上和雄名誉教授の勧めで、自らの体験を語り歩き、命の尊さ、有り難さを多くの人に伝えている。著書に『遺伝子スイッチ・オンの奇跡』(風雲舎刊)、『「ありがとう」100万回の奇跡』(風雲舎刊)がある。

《仙台教会「あおばの会」とは》
 あおばの会は、今日的な社会的課題や仙台教会を取り巻く諸課題に対して、宮城県内の学識経験者を中心とする有識者、地域社会で貢献活動をされている方々にお集まり頂き、対話・交流を深め、熟議を重ね、叡智を結集して、心豊かで住みよい平和社会の構築と実現に資することを目的としています。代表は齋藤忠夫(東北大学名誉教授、農学博士)。

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