ロシアのウクライナ侵攻に対する緊急提言
本年2月21日より、ロシア連邦(以下、ロシア)は、ウラジミール・プーチン大統領の指揮によりウクライナ共和国(以下、ウクライナ)への軍事侵攻を開始しました。
独立国であるウクライナへの武力による侵攻は、人道的、国際的にけっして許される行為ではありません。
世界の平和秩序を大きく崩壊させた、このロシアの侵攻を許してしまうならば、世界の平和はもとより、日露平和条約の締結に向けて努力を続けてきた日本にとっても、隣接する北海道への侵略の危機の可能性が生じてきます。さらには、中国の尖閣諸島や台湾侵攻の脅威も現実的なものとして大きく高まることでしょう。
私たち日本は、太平洋戦争以後、「平和憲法」を堅持し、武力によらない平和国家の建設を進め、また世界の平和を希求し、さまざまな国際貢献を果たしてきました。
プーチン大統領が核兵器の使用も辞さない発言を行ないました。その発言を受け、現在、我が国の国会において、「非核三原則」を大きく逸脱する“ニュークリア・シェアリング(英語:Nuclear Sharing)”、すなわち「核の共有」が議論されています。この「核の共有」も、我が国において絶対に許してはならない行為であると考えます。
私たち立正佼成会仙台教会では、このたびのロシアによるウクライナ侵攻に対して、「好戦」ではなく「非戦」を、「武断」ではなく「文知」を、そして何よりも「暴力」ではなく「非暴力」を持って解決されることを、切に願い、提言するものであります。
立正佼成会会員は、日々の経典読誦において、一切衆生の仏性開顕と世界平和達成を祈願して参りました。
私たちは無力ではありますが、「祈り」という大きな力を持っています。
プーチン大統領の持つ尊い「仏性」を心から礼拝すると共に、プーチン大統領が自らの過ちに一日も早く気づき、回心されることを祈ります。そして、一日も早い非暴力による平和的解決を、仙台教会会員一同、心を一つにして、久遠本仏に祈りを捧げて参りたいと決定(けつじょう)いたします。
2022年3月3日
合 掌
立正佼成会仙台教会
教会長 近藤雅則