皆さま、あらためまして、本年もよろしくお願いいたします。
一月一日に発生した令和六年能登半島地震により、被害に遭われた皆さまに心からお見舞い申し上げます。また、犠牲となられたすべての方々のご冥福をお祈り申し上げます。新年を迎えて早々に想定を超える自然災害を目の当たりにし、信仰をもつ私たち親戚・家族・サンガは、困難な時であっても何とか皆さまの”ともしび“のような存在でありたいと願わずにはいられません。
一月号の『佼成』会長先生のご法話『「心田を耕す」精進を』の中でお示しくださった
「~他は他であるが、それがそのまま『己れ』として感ぜられ、その喜びも悲しみも『己れ』の喜び『己れ』の悲しみなのであります」~それが「人間のほんとうの生活」だというのです」
と。そして、私たちはまさにこの心境ではないでしょうか。
この困難な状況にあっても、何とかここを、今を踏ん張って…と。一方、先が見えない、底知れない不安をかかえている皆さま。遠慮なく、助けを求めてください。私たちは、わずばかりの“ともしび”であってもそれが周りの方々のささえとなり、同時に自分自身を支えてくれると信じているからです。
釈尊が伝えたいと願われた仏教の根本思想を、開祖さまは〈人間はおなじ〉・〈すべては一つ〉と明言されたと。そのことに目ざめれば、ものの見方が変わり、生き方が変わり、そういう思いに立つ人がたくさんいる世界になれば、みんなが仲よく生きられる――それが仏教の教えるところだと仰います。
私は、目の前のことにひるんだり逃げたりすることなく今月号のご法話に立ち返りつつ、絶えざる変化と、互いに支え合い、助け合う関係のなかで生かされている私たちのいのちの真実の姿。その「真理」を直視したところに、まわりとの調和をはかりながら、いまを正直に生きる安穏の境地が得られることを信じて、声を掛け合い、力を寄せ合い、思いを届け合い、困難な状況にいる皆さまが一日もはやく心安らかに過ごせますよう周りのサンガと支えて参りたいと思います。
「精進は荷を運ぶ牛で、安穏の境地に運んでくれる」
明日は、令和六年になって初の「東日本大震災」の月命日です。
合 掌
令和六年一月十日
立正佼成会仙台教会
教会長 岩間由記子