「気になるときには コーヒーをどうぞ!」教会長 近藤雅則(平成29年2月)

元旦 文章内画像

近藤教会長夫妻(平成29年1月1日元旦参り) 

 機関誌『佼成』2月号の庭野日鑛会長の法話は「気にしない人」というテーマでした。この中で、深く心に響いたのは次の言葉です。

☆仏教では、出会う人も、身の回りで起きるできごとも、すべてが、私たちに大切なことを教える仏のはからいであると教えています。ものごとをそのように受けとめると、そこに優劣や序列や損得はありません。したがって、そういうことにとらわれる必要もないのです。

☆過去や未来を思い煩うのではなく、「いま」をもっと大切に生きましょう。そして、人を思いやることを日々実践していきたいものです。

 人からの評価やうわさ話にふり回されていらいらしたり、まだ起きてもいない先のことを心配して心を曇らせたりすることは、誰でも経験のあることだと思います。

 とてもショッキングな話があります。以前、教団の産業医をしていた医師から、“信仰心の深い人ほど、うつ病になりやすい傾向がある”と指摘されたことがありました。信仰することは、とらわれない安定した心を養うことにつながると思われますが、その逆の傾向があるというのです。それは、なぜでしょうか。私が思うに、真面目すぎる、責任感を持ちすぎる、必要以上に自分を責めたり、卑下したりするためかもしれません。こうした方は、「信仰者はこうあるべき」とか、「佼成会では、こうあるべき」など、固定的、偏狭的な考え方が強すぎるように感じます。そのために、さまざまな悩みや苦しみを生み出し、精神的負担を増しているのです。
 そんな人たちに、私は、コーヒーを飲んで、気持ちを楽にするようアドバイスしています。その場合に飲むコーヒーは、ジャマイカ産・コーヒーでないと効果がありません。アフリカ産やブラジル産のコーヒーでは駄目なのです。

 コーヒー決定ものごとが思い通り進まず思い悩むとき・・・「じゃ まあいいか!(ジャマイカ)」と、一度心を解き放つ。何か無責任でいいかげんな感じがしますが、このように考えることも必要な場合があると思います。まさに「いい加減」が大切なのです。何ごとも「過ぎたるはなお及ばざるが如し」で、どんなによいことでも、その度が過ぎることは、足りないことと同じくらいよくないということです。

 世の中には、気にしない方がいいとわかっていても、気にしてしまう人がいます。頭ではわかっても、実際はそうできないことが多々あるのです。その原因は、意識の深いところにあるために、自分ではなかなかコントロールすることはできません。そこに宗教の必要性があるのです。一心にお経を読誦する、一心にお経を書き写す、一心にトイレ掃除をする、一心に誰かのことを思いやる・・・。そうした自己を忘れて一心に何かに打ち込むことで、深い意識を清め、改善することができるのです。

 日本は豊かで、とても恵まれた国ですが、なぜか諸外国に比べて将来に不安を感じている人が多いといわれます。これからの世の中を考えると、経済状況は、年金制度は、財政危機は、地球環境は、食糧問題は、原発事故は、テロ紛争は・・・・などなど、不安だらけです。そうした先の見えない気になる時代だからこそ、宗教が大切だと思います。どんな環境におかれても、大いなる神仏に生かされ、護られているという大安心をもち、目の前の一つ一つのことを大事にし、丁寧に取り組んでいく生き方が身につくのです。

合掌
平成29年2月1日
立正佼成会仙台教会
 教会長 近藤雅則

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