“拝むことで輝きだす!” 教会長 近藤雅則(令和元年8月)
- 2019/7/31
- 心を創る
今月の会長法話は、自分の「宝」を輝かせるがテーマ。
皆さんは、自分が持っている「宝」とは何だと思いますか?「宝」と言えば、高価な宝石や財産と考える人が多いかもしれません。“英語が得意”“サッカーがうまい”など能力を考える人や“やさしさ”“真面目さ”など性格と考える人も多いと思います。あるいは、“家族”“友人”“仕事”“社会的地位”“健康”“若さ”・・・と考える人もあると思います。
そこであらためて質問します。あなたは、どんな「宝」を持っていますか?
財産や能力、家族、友人、地位、健康・・・という「宝」は確かに大切なもの。あればあるほど、自信にもつながります。しかし残念ながら、それらは変化します。いつまでもあるわけではなく、不確かなものなのです。
また、他人と比べて自分が上だと思うと優越感を感じ、逆に自分が下だと思うと劣等感を感じるのです。よって、いつも他人のことが気になり、自分の持っている「宝」に確かな自信がもてず、不安が絶えないのです。
先の参議院議員選挙において、重度の障がいを持ちながらも当選した候補者に対し、「あなたは、ただ生きているだけで価値がある」と訴えていた政治家がいました。重い障がいがあれば、できることは限られます。他の人のお世話や社会の支えがなければ、生きていくこともできないでしょう。そのような人は、「宝」を持っていないのでしょうか?
法華経は、すべての人間が無量の「宝」を持っていると説くお経です。その「宝」を“仏性”と呼んでいます。文字通り仏の性質という意味ですが、無始無終で、不生不滅の仏の“いのち”を持っているということです。また、真理を悟った完全円満な人間になる可能性を持っているという意味でもあります。
すべての人間が例外なく、この“仏性”を有して生まれてきた究極の価値ある存在であり、この自覚こそが、絶対の自信と安心を得ることなのです。
ただ、この“仏性”は目に見えず、簡単に気づけるものではありません。特に現代人のように物質的豊かさに心を奪われ、自己中心的な生き方をしていては気づきにくいのです。
では、どうしたら気づけるのか。法華経は「他の人の“仏性”を信じ、それを拝んでごらん」と勧めています。そうすることで、「自分自身の“仏性”がイキイキと輝きはじめますよ」と教えています。
“仏性”を拝むなんて難しいと感じる人は、相手の“長所”や“すばらしいと感じるところ”を認めて、褒めて、感謝するところから始めてみましょう。立正佼成会は、人の“仏性”を認めて拝むことによって、自分の“仏性”を輝かすことをめざす集まりなのです。
2019年8月1日
立正佼成会仙台教会
教会長 近藤雅則