昨年、第1回が行われた立正佼成会仙台教会「市民社会のためのリーダー養成塾」が、今年も第2期として開塾されました。(本塾の設立の目的は、本ページ下記をご覧ください)
今年の塾生は11名。20代から60代、会社員、企業経営者、地域の民生委員、児童委員、ボランティア活動者、主婦、そして本会職員といった人たちが第2期生として集いました。
年4回1泊2日の行程の中で、第1回は大和教団(仙台市青葉区錦町)の創立者であられる保積史子(ほずみひさこ)開祖が、創社された「大國神社」本殿、祖霊殿、そして参集殿(仙台市青葉区芋沢)をお借りして行われました。
第1回の講義、講師は以下の通りです。
1.市民社会が求める宗教とは? 講師:近藤雅則(塾長、本会仙台教会長)
2.人間としての生き方を学ぶ~松下幸之助師に学ぶ~ 講師:村井嘉浩(宮城県知事)
3.いかに人間は生きるべきか? 講師:保積秀胤(大和教団教主、元日本宗教連盟理事長)
4.現代における「学問のすすめ」 講師:齋藤忠夫(農学博士、東北大学名誉教授)
授業は、まず講師の先生からテーマにそった講義を受け、その後、講師を囲んでの質疑応答、そして塾生同士による「グループシェアリング」といった流れで進みました。
近藤雅則塾長からは、本塾の基調講義となる市民社会が求める宗教を学び、とりわけ私たち一人ひとりが目指すリーダー像として、
(1)自らの発意で行動を起こせる自立した人材
(2)社会の片隅で悩み苦しむ人々に目を向けて寄り添う人材
(3)地域の課題に関心を持ち、共通の願いをもつ団体や個人と連携できる人材
(4)自身の“発心”、“情熱”、“アイディア”、“持ち味”を最大限に活かせる人材
となることの大切さを学びました。
また、宮城県知事である村井嘉浩特別講師からは、パナソニックの創始者である松下幸之助師から「松下政経塾」塾生として学んだ体験をもとに講義を頂き、人間としての大切な心として「素直な心」、「謙虚な姿勢」、そして「感謝」の大切さを教えて頂き、またより善き創造に向けて、「一人ひとりの持つ長所を活かす」、「人の話は聞くのではなく、“聴く”ことが大切」あるいは「対立の中からの調和をめざす姿勢」を学びました。
大和教団の教主であられます保積秀胤師からは、「神仏を敬い、祀る心が大切で、神仏は一体である」、「日本人が培ってきた自然を拝み、祖先を大切にする心が大切」、「この世のすべてのものに愛情を持って生きる」、「現代社会が抱える問題の解決に努め、そして世界の平和を願う心」といった、我が国の原初より続く古神道をもとにした人間の生き方を改めて教えて頂きました。
東北大学名誉教授の齋藤忠夫特別講師からは、福沢諭吉が著した『学問のすゝめ』に現代的な解釈を加え、さらに現在の日本の教育施策、教育の現状をデータをもとに教えて頂き、改めて「学び続けること」の大切さをご講義頂きました。
塾生からは、以下の感想が寄せられました。
「平和に向かっていくには、やはり宗教というものが大事である。また人間関係において信頼感がないと何も実行することができないので、現代社会においては特に人と人とのつながりを大事にしていきたい」
「私の周囲にも地域でリーダーとして貢献されている方がおりますが、皆さん謙虚な姿勢、生き方に徹しています。そういう方は周囲からも信頼されて、素晴らしい生き方をしており、私も改めて謙虚さ、素直さ、感謝の大切さに気づきました」
「自然に生かされていることに感謝し、また自分はご先祖さま、両親、そして神仏と一体なんだと自覚できました。これからは、さらに人さまの幸せを願い、精進し、生きがいのある人生を歩んでいきたいです」
「齋藤特別講師から詳しく福沢諭吉の学問のすゝめを教えて頂き、学問の自由の大切さに気づかせてもらうと共に、インターネットなどさまざまな現代のメディアを活用しての学びが、とても必要な時代に来ていることを、現代日本の教育事情を通じて学ぶことができ感動しました」
また2日目には、昨年の卒塾生でさまざまな悩み、苦しみを抱えた方々の力にならさせて頂きたいという願いのもと、仙台市国分町に「国分町駆け込み寺」を創設した、代表の砂澤友美さんも駆けつけ活動報告を行い、多くの塾生が勇気づけられました。
第2回は6月に仙台市太白区秋保町で行われます。
仙台教会「市民社会のためのリーダー養成塾」とは
「市民社会のためのリーダー養成塾」は、現代社会における市民社会からの要請に応えるべく、立正佼成会の庭野日敬開祖が提唱した『法華経』の真精神に基づく、“地域社会における平和活動の実践”をより力強く展開していくことのできる「人財」(=地域社会においてかけがえのない人材)を養成していくための学舎です。