【第2回】この世界の仕組みを理解すれば人生がより楽しくなる!! 平塚真弘(東北大学大学院 准教授)
- 2016/12/1
- 自分を創る
第2回
この世界の仕組みを理解すれば人生がより楽しくなる!!
― 宗教観を素粒子レベルで紐解いてみる ―
平塚真弘(東北大学大学院 薬学研究科 准教授)
◇さらに似ている自分の親、祖父母、ご先祖様
前コラムで述べたように、私達の体はDNAという設計図から作られますが、それは1つだけではなく、お父さんから1つ、お母さんから1つ、遺伝しています。これは、万が一、お父さんの設計図の一部にミス(DNAの並び方が人と違う)があって正常な機能を持つタンパク質が作られずに病気になったりしないように、お母さんの設計図が保険となっています。したがって、私達の体の設計図は、半分お父さん、半分お母さんのものとなっています。他人でもDNAの並び方は99.9%同じなのですから、自分と親の設計図がいかに似ているかが分かると思います。また、祖父母やその先のご先祖様のDNAに至るまで、自分とかなり似ていることになります。そう考えると、同じ家系の人たちは、ほぼ同様のDNAをもち、そこから作り出されるタンパク質も同様となり、人としての素材は、かなり似ていると言えます。
ですから、「うちの家系はみんな血圧が高くてね」とか、「私の指の形、おばあちゃんにそっくり!」とか、「おまえは俺に似て頑固だな」などと病気のなりやすさ、体型、性格がその家系でとても似ているという話はよく聞きますし、DNAが遺伝することを考えれば納得もいきます。しかし時に、自分の親や祖父母、あるいは会ったことのないご先祖様と似たような体験や生き方までしていることに驚くことがあるのではないでしょうか。ここまで来ると不思議なような気もしますが、古くからこのようなことは「ご先祖様が功徳を積んだんだね」とか「先祖の因縁だね」といった形で解釈されることから、どうも私達の体の設計図であるDNAは、その人の体質や性格だけでなく、功徳や因縁というものも引き継いでいるのかもしれません。
(第3回に続く。次回更新は2017年1月1日です。どうぞ、お楽しみに!!)
【著者プロフィール】
宮城県女川町出身。石巻高校卒業後、東北大学大学院修了。
大学院卒業後は東北大学医学部助手、東北薬科大学講師、スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員等を経て、現在、東北大学大学院薬学研究科准教授。薬学博士。