君の笑顔に逢いたくて~「あおばの会」第4回教育講演会 開催
- 2018/5/1
- 教会からのおしらせ
4月15日、宮城県名取市在住の保護司であり、帰る場所のない少年を受け入れ、更生と自立を支援するNPO法人 ロージーベルの代表理事を務めていらっしゃる大沼えり子先生をお招きして、仙台教会「あおばの会」第4回教育講演会が開催されました。
少年たちが持つ尊い「いのち」を尊重し、情熱込めて更生・自立のために取り組む大沼先生のご講演に、参加者(約600名)一人一人が《少年育成》の大切さを改めてかみしめさせて頂く時間となりました。
講演要旨は以下の通りです。
【講演要旨】
私は,平成13年11月より,保護司として少年の更生支援や少年の悩みに耳を傾け,少年たちとともに歩んできました。ある時、少年院で更生に向けて頑張っている少年から手紙が届きました。この少年は、すでに社会復帰ができる状態にあるにも関わらず、しっかりとした引受人や引き受け先がないために仮退院時期が1年経過しても出院できずにいたのです。
この少年には家族がいません。社会に戻っても誰も頼る人がいないのです。それなのにその少年は私宛の手紙に「頑張ります」と力強く書かれてありました。
このような少年が他にもたくさんいること。また虐待やいじめを受けている少年たちが、まさに日に日に増加しているという状況を目にした時、被虐待児やいじめを受けた少年たちが心安らぐ居場所の必要性を痛感しました。
私は、このような少年たちのために「彼らの帰る家をつくりたい!」。そう思うようになり、平成20年10月,NPO法人ロージーベルを設立し,少年の家の立ち上げに着手しました。
“ロージー”とは、母あるいは女性の象徴で、人を正しい方向に導く「薔薇」を意味します。この母なる薔薇が奏でる幸せのベルを、少年たちの心に響かせ、素直な心でまっすぐに歩んでいってほしいという願いを込めて、私は“ロージーベル”と名付けました。
いかなる理由があろうとも、罪を犯すことは決して許されることではありません。しかし、彼ら少年も、実は被害者だとしたら…。心の奥底で懸命に助けを求めているとしたら…。必死の思いで立ち直ろうとしているとしたら…。
私は少年たちの心の声に耳を傾け、更生を援助し、一人でも多くの少年が健やかに成長してくれることを心から願っています。
私たちロージーベルは今後も,スローガンである「たった一つの笑顔に会うために」、少年たちの声に耳を傾け、一人でも多くの少年たちの悲しみや苦しみが「ほほえみ」に代わることを信じて支援活動を続けてまいります。
今日、お集まりの多くの皆さまとともに、それぞれが持つその優しい心のベルを奏で、その力で悲しいベルの音が《幸せの音》に変わるよう、手を携えてたくさんの幸せのベルの音を日本中に響かせて行きたいと心から願っております。
本日は、有り難うございました。
大沼えり子先生をモデルにした映画「君の笑顔に会いたくて」(出演:洞口依子、筧利夫 他、監督:植田 中)が、現在、全国各地で好評上映されています。
仙台教会「あおばの会」とは
「あおばの会」は、今日的な社会的課題や仙台教会を取り巻く諸課題に対して、宮城県内の学識経験者を中心とする有識者、地域社会で貢献活動をされている方々にお集まり頂き、対話・交流を深め、熟議を重ね、叡智を結集して、心豊かで住みよい平和社会の構築と実現に資することを目的とします。
代表は、齋藤忠夫氏(東北大学名誉教授)