【こころの彩時記28】🌟 スーパーヒーロー、スーパーヒロインの実践「一食を捧げる運動」
- 2021/5/29
- 自分を創る
つい最近の休日のこと、夕方、家内と近くのスーパーに買い物に行った帰り、スーパーの前の広場にスマホケースのようなポーチが落ちていました。中をのぞくと何も入っていません。
(拾って届けようか?いや、お店の人か誰かが拾うだろう)
と思いながら駐車場までいったとき、
(いや、待てよ。たとえ中に何も入っていなかったとしても、落とした人にとっては、その人の思い出がつまっていたりして、大切なポーチかもしれない)
と思い返しました。私は家内に、
「あのポーチ、やっぱり拾って、お店の人に届けてくるよ」
といって戻ったときには、わずか数十秒の間にポーチはなくなっていました。
(あー、落とした人が拾ったのかな?お店の人が拾ってくれたのかな?)
そう思いつつも、すぐにポーチを拾えなかった自分を心の中で責めていた私がありました。
家内に話すと、その数日前の夕方、自転車での仕事帰りに、前を自転車で走る女子高生がスマホを落としたのを見て、すぐに拾って、数十メートル追いかけて、無事に渡した話をしてくれました。そのスマホを落とした女子高生は、とても喜び、何回もお礼を言って、また自転車に乗っていかれたということでした。
「いやー、その女子高生さん、喜んだだろうね。今の時代、スマホがなくしたら、大変だものね。いいことしたね。でも、お前の自転車の速さで、その女子高生によく追いつけたね」
私は感心して、家内にそう話しました。
そんなことがあってのその日の晩御飯。食卓にならんだ家内の料理を見たとき、数日前に近藤教会長さんから頂いた言葉が胸に浮かんできました。
その言葉は「人道」。
近藤教会長さんより、「人道」とは「人としての道」であり、「人のふみ行うべき道」であり、そして「人さまに感謝し、人さまのために生きる」とう尊く、崇高なる生き方だと教えて頂きました。
赤十字社の創設者であるアンリー・デュナンは、その理念として「人道」を第一に掲げ、その「人道」とは勇気をもって、自己犠牲を払いながらも、目の前で苦しむ人に手を差し伸べるという正義であるとして、現在でも世界中で人間のいのちと健康と尊厳を守る活動が展開されています。
そして、アンパンマンの作者であるやなせたかしさんも、「自己犠牲」と「正義」について深く考え、子どもたちを中心に多くの人に愛される「アンパンマン」というスーパーヒーローを産み出しました。やなせさんは、日中戦争への出兵体験を持ち、弟さんを戦争で失っています。そんな、ご自身の体験をもとに、
「正義に勝ち負けなんて関係ない。困っている人のために愛と勇気をふるって、ただ手をさしのべるということだけなのだ」
「本当の正義の味方は、戦うより先に、飢える子供にパンを分け与えて助ける人だろうと。そんなヒーローを作ろうと思った」
と述べていらっしゃいます。
晩御飯の食卓にならぶ家内の料理に手を合わせ、そして、立正佼成会の皆さんや多くの有志の方が実践されている「一食を捧げる運動」を思い浮かべました。
《「一食を捧げる運動」とは、飢餓や貧困、戦争などで食事も満足にとれず、苦しむ世界の人びとを思い、一食をぬいてわずかでも、ほんの少しでも、その苦しみを共にし、その一食をぬいた分を献金させて頂く》
その日は、大好きな晩酌のビールを抜いて、献金させて頂きました。
宗教や宗派等に関係なく、すべての人が「人道」あるいは「正義」の一つとして、いつでも、誰でも、どこでも実践できる「一食を捧げる運動」。
これからも、「“誰かが”ではなく、“自分が”実践していきたい」、そして「自分も隠れた“スーパーヒーロー”になろう!」―そう思わせて頂いた夜でした。
*「一食を捧げる運動」の詳細につきましては、本ホームページ「一食を捧げる運動とは」をご参照ください。