『佼成』7月号の会長法話は、「いま、自分にできることを」がテーマです。
いま、新型コロナウイルスの感染で、いつもとは異なる生活を強いられています。それも長期間になるにしたがい、精神的に不安定になったり、体調をこわしたりする人もいるようです。皆さんはいかがですか?
今月のポイントも、次の二つに絞ってみました。
一つ目は、15頁のいまが「習学」のチャンスということです。多くの人は、こんな時でもできることはあるはずと考え、家の中の整理などを始めた人もいると思います。しかし、発想を逆にしましょう。こんな時にもできるのではなく、今だからこそできることがあるという考え方の方がより前向きで積極的です。
私は、それは二つあると考えています。
まず一つは、家庭における教えの実践です。具体的に言うと、家族を「認めて・ほめて・感謝する」です。家庭はいつも平穏無事というわけにはいきません。時には、思いもよらない事態が生じることは、どこの家庭にもあるはずです。その時に、日ごろから「認めて・ほめて・感謝」することができている家庭は、乗り越えることができやすいのです。逆に、相手を「否定して、けなして・文句を言っている」家庭では、いっそう苦が深まるばかりです。
二つ目は、「私は、何のために信仰しているのか」をしっかり自問自答してみることです。先月も申し上げましたが、私たちの信仰の目的は、病気を治したい、お金を儲けたい、楽に暮らしたいではなく、「仏になる」ことです。「仏になる」とは、「自他の仏性を拝める人になる」ということでもあります。
つまり、自分も他の人も、みんな仏の子であり、仏と同じ尊いいのちを有しているという見方ができることです。この見方ができると、まず人と仲良くできます。自信がついてきます。自信がつくと、物事がうまく進みます。出来事の変化にとらわれることなく、安心して生きていけるようになります。
16頁の1行目に、“仏と同じものを具えているということ-それを信じることが信仰であり、信心といえるでしょう。”と、あります。同じものを具えているといわれても、すぐに理解できないかもしれません。しかし、仏さまが私たちを”我が子“と言い切ってくださっているのですから、これほど確かなことはないのです。それをそのまま素直に受けとめればよいのです。
最後に庭野会長が、またお目にかかりたいと思わせられる方として、神仏などを尊び敬う心が強く、一方では苦しみや悲しみの底に沈む人を常に思いやる、情愛あふれる人をあげておられます。私たちもそうした人に一歩でも近づく精進をさせていただきましょう。
合 掌
2020年7月1日
立正佼成会仙台教会
教会長 近藤雅則
*『佼成』(7月号)の会長法話は、本会本部のホームページよりご覧いただけます。下記のWebアドレスをコピー&ペーストの上、お読みください。
立正佼成会ホームページ「今月の会長法話」
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