「やましいことのない晴れやかな心で日々を過ごそう」(平成28年12月 教会長 近藤雅則)

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 機関誌『佼成』12月号の庭野日鑛会長の法話は「仰いで天に愧(は)じず」というテーマでした。この中で、深く心に響いたのは次の言葉です。

☆自分の良心に恥じない生き方を身につけることが、人間教育の基本である
信仰が深まれば深まるほど厳粛に自己をみつめ、懺悔せずにいられない
恥じることを知る心は、どのような衣服よりも人を清く、美しく飾る
人を思いやる心を忘れなければ、やましいことのない晴れやかな心で日々を過ごすことができる

 私たちは、他人に恥じないような行いや生き方をしようと努力していますが、実はその“恥じる心”があるからこそ、人間としての正しい生き方ができ、向上できる面もあるのです。ですから“恥かしい”という感情は、とても大切なものだと思います。私も教会長として、多くの信者さんに恥じない努力をさせていただこうと意識するお陰さまで、日々精進できるのだと思います。

 世の中には、傲慢で恥を知らないのではないかと思える人がたくさんいます。そうした人を目にしたときに、私たちは批判したくなります。しかし、誰しも、人が見ていない所では、赤信号を無視して渡ったり、ゴミのポイ捨てをしたりすることはないでしょうか。あるいは“旅の恥はかき捨て”という言葉通り、知らない土地に行ったときには、身勝手な行いをしても恥かしいと感じないことがあるのではないでしょうか。
 
昔の日本人はよく、“おてんとうさまは、すべて見ておられる“といって、恥かしい行ないを慎むように努めていました。たとえ誰も見てなくても、仏さまが見ておられる。このように仏さまの存在をいつでも、どこでも意識できることが、信仰者の大切な資質です。それが、信仰が深まれば深まるほど懺悔せずにいられないということにつながるのだと思います。

 庭野日敬開祖は、『(懺悔は)自分がどれだけの悟りに達したかということを人にも自分にも証明するものです。しかも、懺悔をすれば、心に残っていた古いカスがきれいに取り除かれ、まったくすがすがしい気持ちになります』と教えてくださっています。
 
もし、恥かしいと感じるような行ないをしてしまったときには、素直に懺悔することです。そのままでいては、古いカスが次第たまり、汚れが心にこびりついてどうにもならなくなってしまう。謙虚に恥じ入る心が、懺悔することにつながる。この素直に懺悔できることも、信仰者の大事な資質と思います。

「人を思いやる心を忘れなければ、やましいことのない晴れやかな心で日々を過ごすことができるのです。それでも、道に迷いそうになることがあったら、まず人さまの心を大切にしましょう。素直に人のために働いているときに、自分の利益を先にする気持ちは起きないからです」
 
この言葉には、佼成会で教えられる“仏法の救われ方”が簡潔に書かれてあります。同じ12月号の開祖法話録には「苦から逃れようといくらあせってみたところで、絶対に逃げられるものではないからです。ちょうど蜘蛛の糸にかかった蝶のように、逃れようとバタバタすればするほど、苦というものにひっかかった心が自分自身をガンジガラメにしてしまうのです」
 佼成会では、悩んだり苦しいとき、一時自分のことは後にして、まず他人のことを心配してあげたり、他人に役立つよう一生懸命取り組んだりします。自分が悩み苦しんでいるときは、他人のことより、まず自分のことを最優先にしがちです。しかし、それではいっそうガンジガラメになって、かえって苦悩が深まるだけです。自分を忘れ、他人のことに心をむけて行動することが、結果的に自分の苦悩を解決するもっとも確実な道なのです。それが、やましいことのない晴れやかな心で日々を過ごすことであります。

 今年一年をふりかえり、反省すべきことはしっかり反省し、平成29年も心あらたに人を思いやることに取り組んでいきましょう。

合 掌

平成28年12月1日
立正佼成会仙台教会
教会長 近藤雅則

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