🌹 小泉純一郎氏を迎えて「市民講演会」が開催されました!!

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「日本の歩むべき道」をエネルギッシュに語る小泉純一郎氏

 2019年10月6日(日)13時より仙台国際センターにて、元内閣総理大臣 小泉純一郎氏を迎えての「市民講演会」が、立正佼成会仙台教会発足60周年記念として開催されました。テーマは「日本の歩むべき道」。当日はメインホールの定員1,000名を大きく上回る1,300名の市民が来場し、小泉元総理から約70分にわたるご講演を頂戴しました。

決定07(使用)決定05(使用) 開会にあたっては、仙台教会「あおばの会」代表である東北大学名誉教授 齋藤忠夫先生より「ご挨拶」を頂き、最後に仙台教会長 近藤雅則より「謝辞」があり15時に閉会されました。
 ご講演の要旨は以下の通りです。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災まで、私は原子力発電を推進すべきだと思っていました。しかし、東日本大震災での津波による福島県での原発事故を目の当たりにした後、エネルギー関係の本を勉強し、反原発、脱原発へと考えが変わっていきました。
 アメリカのスリーマイル島、ソ連のチェルノブイリの事故のあとも、日本の原発研究者は日本の原子力発電は安全だと言っていました。しかし、実際に原発事故が起きました。自分が生まれ育った地に帰れない人が、今もたくさんいらっしゃる。一度でも重大な事故を起こしたら故郷がなくなるんです。まして、こんな地震大国の日本で、原発をこのまま可動していてはいけない。
 実際に、今は原子力発電所の10数基分を太陽光でまかなえる時代になっているのです。
 私はかつてフィンランドを訪問しました。フィンランドは岩盤でできた国で、その400mメートル掘った地下に「オンカロ」がある。「オンカロ」はフィンランドの南西部に建設中の、原子力発電所の使用済み核燃料を半永久的に埋蔵するための最終の処分場です。フィンランド語で「洞窟」を意味しています。そのオンカロでも2km四方の広場にたった原発4基分の廃棄物しか入りません。だからオンカロは、フィンランド国内の原発の廃棄物しか受け入れていません。
 日本では核燃料廃棄物を捨てる場所もないのに、まだ原発を稼働させて、そんな危険なごみをこれからも増やし続けるつもりなのでしょうか。私は、今、自然エネルギーでなくてはいけないと思っています。水力発電や太陽光発電、風力発電、地熱エネルギーなどをもっともっと普及させる。自然エネルギーは有害な廃棄物を出さないから、ごみ処理に莫大なカネをかけることもない。自然エネルギーを増やして原発ゼロにしていけば、日本は世界のお手本になれるのです。
 作家で、かつて東京都知事も務められた猪瀬直樹さんの『昭和16年夏の敗戦』という本を知人に勧められて読みました。昭和16年というと近衛文麿内閣総理大臣の頃で、太平洋戦争が始まる年です。日本政府は当時エリートと呼ばれた若手の識者を集めて「総力戦研究所」というシンクタンクを作り、日本がアメリカと戦ったらどうなるかということを研究させました。その若手の識者たちは、昭和16年8月、近衛内閣の前で「今、アメリカと戦争をすれば必ず負けます」と報告しました。しかし、机上の空論として、この報告を内閣は脚下したのです。そして、真珠湾攻撃で始まった太平洋戦争の結果は皆さん、よくご存知だと思います。
 負けると分かっているのになぜしたのか?ですから、原発も良くないと分かっているなら、やめなくてはいけないのではないでしょうか。
 日本の歴史を振り返ると、幾度のピンチをチャンスに変えて日本は発展してきました。
例えば、明治維新が成し遂げられた明治時代は戦争の連続でした。明治の人は本当に苦労したと思います。戊辰戦争、西南戦争、日清戦争、日露戦争と戦争の連続。そして、日本人は驕りが出てきたのですかね。先ほど述べましたように、太平洋戦争で連合国に敗れます。しかし、その最大のピンチもチャンスに変えて日本は復興しましたが、私たちはもう二度と戦争は起こしてはいけません。
 現在の日本人は百年、百歳を生きる時代となりました。例えば、七十歳というのは「古希」といわれ、七十歳まで生きるのは“古来稀なり”で古希と呼ばれたわけです。ところが、今、七十歳の方はざらにいらっしゃいますよね。
 皆さん、今年の「敬老の日」に百歳以上の方が何人いらっしゃると思いますか?なんと七万人ですよ。「還暦」、「古希」のお祝いをあまりやらなくなったわけですよね。
 私が親しくしているお医者さんが、お年寄りの介護施設をしています。その施設にいらっしゃる百歳を超えられたお年寄りに、「一番の楽しみは何ですか?」と聞いてみた。すると「面会に来てくれる孫と会うのが一番の楽しみです」と言う。ところで、「お孫さんは何歳になられますか?」と聞いたら、「今年、定年になって60歳です」。これには私も参りました(笑)。
 これからの日本は、“元気で長生きのできる国にしていきましょう”ということですね。日本は戦後、みんなが食事のできる国、病気になっても医療保険によって少ない負担で治療を受けられる国へと発展することができました。
 この東日本大震災というとてつもなく大きな変化、ピンチがありましたけども、日本は必ずみんなが助け合って、元気で、長生きができる、そういう国になっていけると私は信じています。また近い将来、全エネルギーを自然エネルギーでまかなっていける日本になることができると心から信じています。
 日本の将来のために、未来のために、私とともに皆さん頑張っていきましょう。本日はご静聴ありがとうございました。

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満席となった仙台国際センター・メインホール

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「謝辞」として、今回の講演会にあたり市民から寄せられた手紙を読む近藤雅則教会長

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近藤雅則教会長は、心豊かな地域社会づくりに向けて、仙台教会が微力ながらも全力を尽くしていく決意を述べました。

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隣のサブホールでは、メインホールに入場しきれなかった約300名の来場者がライブ映像にてご講演を視聴しました。

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曇りの天気予報にもかかわらず、爽やかな秋空のもと「市民講演会」が開催されました(仙台国際センター正面)

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