🚀 “宇宙の大法則にのって努力すること” 教会長 近藤雅則(令和元年11月)
- 2019/11/1
- 心を創る
今月の会長法話は、「励まし」と「精進」がテーマ。
信仰とは、神仏にお願いして悩み事を解決してもらったり、願い事をかなえてもらったりするものだと考えている人が多いのではないでしょうか。また、信仰する人は意志の弱い人、能力の低い人だと軽視している人もいるかもしれません。しかし、信仰とは決してそうしたものではありません。
特に法華経の教えは、「教えにもとづくみずからの努力によって、苦悩の世界から出ていくこと」で、努力を尊ぶものです。そして大事なことは、自己の考えや価値観ではなく、あくまでも釈尊の教えにもとづく努力であることです。
一生懸命やっているのに、ちっともいいことがない。やることなすこと、みんな裏目にでてしまう。それは、この宇宙をつらぬく大法則からはずれてしまっているためです。それに気づいて、大法則に素直にのっていくと、こんどはすることなすことがすべていい方に回転し、いい結果が現れてきます。努力すれば努力しただけ前進する。その宇宙の大法則をはっきり示したものが釈尊の教えです。その大法則がどんなふうに働いているのか、どうしたらその軌道に乗ることができるのか、それが法華経にことごとく示されているのです。
もう一つ大事なことは、法華経に説かれている「救い」とはどのようなものかです。本当の「救い」とは何かです。病気が治ること、経済的に豊かになること、商売が繁盛すること、宝くじが当たること、恋愛が成就することなどいろいろあります。これらは一般的な願い事であり、言わば当面の「救い」ということができます。
しかし、この世界は無常であり、常に変化する世界です。変化するということは、不安定ということです。どんなに幸福な状態でも、必ず変化します。いつまでも続きません。時には、地球規模の自然環境の変化や経済状況の変化などによって、思いもよらない変化がおきるかわからない世界なのです。
では、そのような不安定な無常の世界において、本当の「救い」や「幸福」とはどんなものでしょうか。私は次の2点だと思います。
まず1点目は、「手に入れる生き方」から「他に与える生き方」に転換することです。そして「人から何かをしてもらう生き方」から「人に何かをしてあげる生き方」に歓びを感じることです。
2点目は、どのような出来事がおきても、自分が成長向上するために、それが必要なことだと受けとめることです。そのような生き方を身につけることが、法華経に説かれた努力のあり方だと思います。
2019年11月1日
立正佼成会仙台教会
教会長 近藤雅則