今月の『佼成』ご法話のテーマは朝が一番です。
会長先生は、朝の4時に起きて、洗面をすませ、最初にすることはご本尊の扉を開ける。そして、早朝の静かななかで合掌礼拝して「きょうもまた、元気で仏さまにお会いできた」と新鮮な感慨を覚える。こうして一日を感謝でスタートできることが、私のその日の活力の源になっていると書かれてあります。
そして、朝のご供養までの間に古今の教訓や戒めの言葉を朗読し、軽い体操もされているようです。まるで会長先生の朝のご様子をそばにいて見ているように感じます。それに対し、私の慌ただしい朝の様子とはずいぶん違うなと感じないではいられません。
本会の会員は、朝ご供養(経典を読誦する)します。その時の合掌礼拝(手のひらを胸のところで合わせる)は神仏に通じ、ストレスを和らげ、自然治癒力など潜在的な力を引き出すことができる。また、帰依心の深まりと、持ち前の活気を覚ますことにつながると記されています。さらに、「今日ただいま誕生」という新鮮な気持ちで朝を迎えると、きのうまでのとらわれを離れた前向きな心で一日をはじめることができると説かれています。
このように聞くと、朝の過ごし方がいかに大事であるかを痛感させられます。朝を大事にする習慣を生涯続けた場合とそうでない場合とを比べたらどれほどの違いが生じるのでしょうか?
最後に、4月はお釈迦さまの誕生を祝う降誕会の月です。「天上天下唯我独尊」という誕生偈は、お釈迦さまだけが尊い存在という意味ではなく、この世に誕生したすべてのいのちは、お釈迦さまと同じように尊い存在であるという意味です。
この世に唯一無二の尊い存在である自分ですが、それを素直に尊いと受けとめることができない人も多いのかもしれません。自分は「ダメな人間」「必要のない人間」「価値のない人間」と、卑下してしまう。降誕会は、「大丈夫!しっかりと応援していますよ」という仏さまのあたたかいメッセージをいただく機縁なのです。
合 掌
2023年4月1日
立正佼成会仙台教会
教会長 近藤雅則