🍀 “生き生きとした感性をみがきましょう” 教会長 近藤雅則(令和5年6月)

竹駒神社の村田守弘宮司様を囲んで(決定)

竹駒神社(日本三稲荷、宮城県岩沼市)の村田守弘宮司さまを囲んで

 今月の『佼成』ご法話のテーマは季節の風物に心を寄せてです。レイチェル・カーソンの言葉で、美しいものや神秘的なものを見て「きれいだな」「不思議だな」と感動できる感性があれば、苦しみや悲しみさえ乗りこえることができると教えています。豊かな感性は、苦悩から救われる道をみつける柔軟な心のはたらきにも通じていて、そのことによって命尽きるまで生き生きとすごせる・・・(13頁)とあります。
 なんて素晴らしいことでしょう。こうした感性があれば、最高に幸福な人生といえるのではないでしょうか。苦しい時ほど、身近な自然に目を向けることで希望や勇気が湧いてきたり、とらわれから解放されたり、救われた経験をもつ方も多いのではないでしょうか。
 最近の私は、自然の美しさや不思議さとは無縁です。梅や桜の花が咲いたことも、スマホの画像を見て、見たつもりになっている自分に気づかされました。これでは豊かな感性は育つはずがありません。

 お釈迦さまが悟りを開かれたとき「奇なるかな、奇なるかな、一切衆生ことごとくみな如来の智慧・徳相を具有する・・・」と発せられたと伝えられています。“不思議だ、不思議だ、清らかな眼でこの世界を見ると、すべての人が仏と同じ智慧と徳をもつ光り輝く存在だ・・・”といった意味です。この時のお釈迦さまの心は躍り、感動に満ち溢れていたに違いありません。
 “一切衆生悉有仏性”すべての人間は仏と同じ尊い心や可能性を持っている。この言葉もお釈迦さまの感性によるものでしょう。私はこれを聞いて、「なるほどそうか」と頭で理解することはできます。しかし、心は躍り、感動に満ち溢れてきません。感性で受けとめていないからです。

 心を豊かに育てるには磨かれた感性が不可欠です。たとえわずかな時間でも、足もとに咲いている小さな花に目を向ける、遠くで瞬く星を眺める、すぐれた芸術や音楽に触れる、静かに瞑想するなど・・・、こうしたことで生き生きとした感性を磨きましょう。
 一方、日常生活の中には感性を鈍らせる要素もあります。私の場合は、次の五つが要注意です。①多忙であること。②効率性・生産性を追い求めすぎること。③価値があると思うものにしか関心を示さないこと。④便利すぎること。⑤物欲が強く、損得を考えすぎることこうした無意識の習慣が、感性を鈍らせている要因だと思います。皆さんはいかがでしょうか。

合 掌

 2023年6月1日

立正佼成会仙台教会
教会長 近藤雅則

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