今からが、いよいよ人生の本番です!(平成28年9月 近藤雅則)
- 2016/9/1
- 心を創る
今からが、いよいよ人生の本番です!
機関誌『佼成』9月号の庭野日鑛会長の法話は「老いの輝き」というテーマでした。この中で、深く心に響いたのは次の言葉でした。
☆人生における晩秋といえる高齢期においても、一瞬一瞬をありのまま、素直に受けとめているかどうかが大切であります。
☆元気で活躍することもさることながら、自分がいまあることそのものに目を向け、そこに映る輝きや有り難さに気づいている人こそ、ほんとうの意味での光輝く高齢者というのではないかと思うのです。
☆たとえ寝たきりの人であっても、光り輝く菩薩として、まわりにいる人たちの心田を耕す犂(すき)となり、鍬(くわ)となっていることを忘れてはならないのです。
高齢者の方が、よくに口にされる言葉があります。それは「もう年ですから・・・」という言葉です。年を重ね、記憶力や体力などの衰えを感じておられるのかもしれませんが、自分で自分の“いのち”を小さく粗末にしていることではないかと思うのです。せっかく頂いた“いのち”。それを最大限、そして最後まで素直に生きていくことの大切さを教えられていると感じました。
アメリカの詩人であるサミュエル・ウルマン作の「青春」という有名な詩があります。その中に
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失う時に初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。
という言葉があります。人間の年齢は、肉体のみによるものではないということです。創造力、情熱、勇猛心、冒険心・・・。いくつになっても、そうした心のあり様が「青春」の証というだと思います。
現パナソニックを創業し、経営の神さまと称せられている松下幸之助は、94歳で大往生されたわけですが、生前「160歳まで生きる」と宣言して、周囲を驚かせていたといいます。この160歳まで生きるという心意気というか、“覚悟”が日々を力強く、悔いなく充実して生きることにつながり、大事業を成し遂げることにつながったということは容易に想像できます。
たとえどんなに老いても、たとえ寝たきりの状態であっても、いただいた“いのち”は、必ず“仏の子”として存在しているものであり、そして、仏の道を歩み続けるために生かされている。このように受けとめさせていただきました。
いただいた“いのち”。このかけがえのない宝物を、精一杯、最後まで活かしきっていきましょう!「今からが、いよいよ人生の本番です!」
合 掌
平成28年9月1日
立正佼成会仙台教会
教会長 近藤雅則