【最終回】この世界の仕組みを理解すれば人生がより楽しくなる!! 平塚真弘(東北大学大学院 准教授)
- 2017/8/1
- 自分を創る
最終回
この世界の仕組みを理解すれば人生がより楽しくなる!!
― 宗教観を素粒子レベルで紐解いてみる ―
平塚真弘(東北大学大学院 薬学研究科 准教授)
○願望達成のチャンスはどこからやってくるのか?
私たちの体を作っている「超ひも」という超高速で振動している物質から波動エネルギーが出ると、それに共鳴して相互作用するものだけに影響を及ぼすようです。これが「縁起の法則」のメカニズムだと推測されます(第4回をご参照)。したがって、私たちの「願い」のエネルギーは、ただ単独で存在していても、何の結果も生み出せないでしょう。
しかし、そのエネルギーが自分以外のものと共鳴して相互作用を起こすことで、さまざまなが事象へとエネルギーが転化していき、結果的に「願い」が達成されると考えるのが自然なようです。したがって、私たちの願望達成のチャンスは、自分以外の何かを仲立ちにしてもたらされるはずです。人間の設計図であるDNA配列は他人と99.9%同じであると現代科学が証明したことを話しました(第1回をご参照)。同じ素材でできているものは、極めて共鳴しやすいことが分かっています。
つまり、願望達成のチャンスの仲立ちをしている自分以外の何かとは、主に「自分以外の人たち」だと解釈することができます。お釈迦さま在世の当時から、三帰依、すなわち「仏」と「法」と「僧」という三つの宝への帰依が誓われてきました。
特に、「自ら僧に帰依したてまつる」では、仏教をともに歩むサンガに帰依することの重要性を説いていますが、この地球上に住むすべての人々が「仏の子」だとすると、私たちの願望達成の仲立ちをしてくれるすべての人々に帰依、感謝することが大事なのかもしれませんね。
○おわりに
2003年に人類はヒトのDNAの並びをほぼ100%解読しました。その結果分かったことは、「私とあなたは99.9%同じ設計図からできている」ということでした。お釈迦様は2500年前に「すべて仏の子」と説いていますので、ようやく、科学的にこの真理が証明できたと解釈することもできます。
現在の科学では、「超ひも」を目で見ることもできませんし、その人から放出されている波動エネルギーもとらえることはできません。また、そのエネルギーがどこまで遠くに届き、過去や未来の時間を超えるかどうかもわかりません。
したがって、今回私が述べてきたことを現時点で証明することはできませんが、実際に真理は存在し、私達はそのルールの中で生かされています。すべての事象には、納得のいくメカニズムが必ず存在しているはずです。
将来いつの日か、宇宙の真理がすべて科学的に証明されるかもしれませんが、その前に「宗教」という形でその仕組みを教えて頂けることは本当にすばらしいと思います。
(了)
※ご好評いただいておりました、本連載も第1シーズンの最終回を迎えました。平塚先生、長期連載、誠に有り難うございました。また、第2シーズンの連載も予定(未定)しております。皆さま、お楽しみに!!
【著者プロフィール】
宮城県女川町出身。石巻高校卒業後、東北大学大学院修了。
大学院卒業後は東北大学医学部助手、東北薬科大学講師、スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員等を経て、現在、東北大学大学院薬学研究科准教授。薬学博士。