私の天職です!~知的障害者の支援のために~ 阿部光一朗(青年男子部)
- 2016/6/20
- 青年が創る
社会福祉の第一線で活躍をされる阿部光一朗さん。立正佼成会の庭野開祖の「人さまのため、世の中のため」という言葉を胸に、その仕事を天職と受け止め、日々、情熱を込めて努力されています。
今回は、そんな阿部さんに登場してもらい、仕事の苦労と喜びについて語ってもらいました。
知的に障害のある方々を支援する仕事に携わって17年目になります。願った仕事をすることができ、今もとても幸せです。実は、こう思えるきっかけをくれたのは両親です。
両親は共に身体に障害があります。福祉工場で働いている時に出会い、結婚し、子どもを授かることが決して当たり前ではない環境で、様々な不安を抱えながら、私の誕生を心から喜び、愛情を注いでくれました。
障害があるゆえに、大変苦労をしてきた父と母。二人が出会えたことで、今の私の命があります。その環境を創ってくださった方々に感謝の思いで一杯です。
私が、なぜこの仕事に就きたいと願ったかというと、やるべきことがまだまだ沢山ある業界だからです。
「知的障害」、「発達障害」、「自閉症」、「ADHD」など、自分自身ではどうしようもない生きづらさに切ない思いをされている方々が世の中にはたくさんいらっしゃいます。そして、そのご本人を支えるご家族。年々さまざまな制度や法律ができても、親御さんの
「私たちがいなくなった後、この子はどうなるのか」
という思いは、未だ解消されていません。
「福祉」と「信仰」はとても似ていると思います。
例えば、私の関わる「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)」の基本理念には、こうあります。
全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため~(省略)
ちょっと難しい文章ですが、これは信仰を持つ私たちが現実的にめざす世界とほとんど同じではないでしょうか。この状態が世界に広がったら、もうほぼ世界平和の実現じゃないでしょうか。
とすれば、おそらくその鍵は、制度や法律と共に、私たちの心にあるのだと思います。これから社会福祉の仕事こそ“私が天から与えられた職である”という確固たる自覚のもと、心の持ち方を学び、整えて、よりよい障碍者への支援のために自分自身を磨いて参ります。
全ての方が「生まれてきてよかった」と思える。また、全てのお母さんが「この子を産んでよかった」と思える社会を作るために。