サンガの中こそ「型」を身につける最高の場所! 教会長 近藤雅則(平成29年12月)
- 2017/12/1
- 心を創る
『佼成』12号の会長法話は、「型を身につける」がテーマ。その中で印象深いのは次の言葉です。
☆思いやりや慈しみを体現し、それを「型」として日々実践することによって、私たちは慈悲の心をさらに深く胸に刻みつけていくのです。
☆「型」に従って「そのようにしなさい」と、いわば問答無用で実践する機会は、自分の都合を大切にしがちな私たちが、無理なく「無我」になれる瞬間でもあるのです。
私は学生時代柔道をしていましたが、柔道にも「型」があります。「型」の練習は地味で、おもしろみがなく、好きになれませんでした。しかし、「型」は基本を身につけることです。基本を身につけず、「我流」でやっていたのでは、何事もより良く成就することができません。その意味で、「型」を身につけることはとても大切なことです。信仰も同じで、自分のこれまでの考え方や経験だけにもとづいてやっていたのでは、いつまでやっても功徳が得られません。
立正佼成会において、幸せになる基本とも言うべき「型」は“親孝行”“先祖供養”“菩薩行(人や社会のために役立つことを行う)”だと思います。また、佼成会の修行のあり方を端的に言い表したものに「佼成会用語」があります。「佼成会用語」とは、奥深い仏教の教えの神髄を誰でもが理解できるように表現した見事な言葉です。よく知られているものは“自分がかわれば相手が変わる”“させていただく”“下がる修行”“陰を信じる”“仏のはからい”などがあります。こうしたことを実践し、身につけていくことで、幸せへの確かな歩みになっているのは、これまで多くの人が実証していることです。そうした「佼成会用語」をまとめたものが、小冊子「佼成会用語にこめられた修行の神髄」です。ぜひ、皆さまも一度手に取って読んでいただきたいと思います。
仏道修行の「型」を身につけることは簡単なことではありません。一番効果的な方法は、サンガの中に入ることです。ここで言うサンガとは、正しい教えに基づいて仏道修行する仲間です。庭野開祖はよく“麻(あさ)の中の蓬(ヨモギ)”ということばを使われていました。これは、曲がりくねる蓬でも、麻の中に入ればまっすぐ育つように、人も善人に交わればその感化を受けて自然に善人になることの譬えです。サンガは、まさに人間としての正しいものの見方・受けとめ方、人間関係の持ち方や生き方などを身につけ、どう実生活に生かすかを学ぶ最高の場所なのです。
ただし、そのサンガも古くなるにつれて次第にマンネリ化し、人間関係のもつれが生じ、単なる仲良しクラブか烏合の衆に陥ってしまう恐れがあります。サンガの一人ひとりが求道心を保ち、常に新しい縁との出会いを積極的に求めていく姿勢が大切だと思います。
合 掌
平成29年12月1日
立正佼成会仙台教会
教会長 近藤雅則