🍁新「こころの彩時記」(毎日連載、10月編)📝

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『法華経』に説かれる上行菩薩像

 今月より《新「こころの彩時記」》として、日々、毎日更新し、その時節や世の中の動きにそったテーマでの連載を始めます。どうぞ、ご期待ください。

【10月19日 礼に始まり、礼に終わる】
 私たち立正佼成会では、食事の前に合掌して「食前感謝のことば」を唱えてから、食事を頂戴しています。

  食前感謝のことば 仏さま 自然の恵み 多くの人に感謝していただきます

 さらに、わが家では、夕御飯の時に晩酌を欠かせない私と家内で、「乾杯のことば」を創作し、二人でグラスを持って必ず唱えさせて頂いています。

 乾杯のことば 国土の安穏 世界の平和 地域の安全を祈念して いま ここ これ すべてに喜び 感謝して 乾杯!!

といった具合です。
 そんなことを始めた数年前、私はふと思いました。

(食前にはこれだけしっかりと食事を頂くことに「感謝」し、「礼」を尽くしておきながら、毎日の“用足し”、すなわちお手洗いのあと、これだけの「感謝」と「礼」を尽くしていただろうか?)

 「出入(はい)り」という言葉があるように、まず出てから入るという順序が、日常生活の中には多いような気がします。「呼吸」もまず吐いてから吸うと良いといいますし、タンスなどに新しい物を入れる時にも、まず古い物を出さないと入れることができません。電車もバスも降りる人、エレベーターも出る人が優先です。
 そこで、私は思いました。

(日々の「用便」を済ませて頂いたあとも、必ず心の中で合掌し「有り難う」と言わせて頂き「礼」を尽くさせて頂こう)

 なぜなら、

(出させて頂いたものがあったからこそ、自らの血肉となり、生きるエネルギーとなる。そして、それを受け止めてくださる便器の存在。綺麗にしてくださる紙やお水。お手洗いにいらっしゃる「トイレの神さま」。用を足すことができた自分の身体。そんな多くのものに助けられて、今、用を足せた自分がある。本当に有り難い!)

 尊い“いのち”の宿った食物を頂き、排泄させて頂くという日常の何気ない行為においても、《「礼」に始まり、「礼」に終わる》。この繰り返しの実践を初めてはや数年。生かされ、生きている悦びの瞬間として、これからも続けていきたい、私の大切な実践の一つだと思っています。

(仙台教会HP担当H.E)

【10月18日 妊娠SOS】
 昨日、秋風が涼しい「仙台国際センター」近くのカフェで、特定非営利活動法人「キミノトナリ」の代表理事をされている東田美香(ひがしだみか)さんと、本ホームページの取材でお会いしました。
 日常生活における、さまざまな事情、経緯の中で、

(妊娠したかもしれない。どうしよう)
(きっと妊娠している。でも親に話せない。一人で病院に行くのもこわい)
(22週を過ぎてしまった。もうおろせない!)
(「妊娠」したと言ったら、彼と連絡が取れなくなった)

などなど、今、「妊娠」によって人知れず一人で悩み、苦しんでいる十代、二十代といった若い女性が増えているとのことです。
 そのような女性に対して、「キミノトナリ」さまでは弁護士さんや助産師さん、社会福祉士さんといったスタッフの皆さんが、一人ひとりの心の叫びに耳を傾け、寄り添い、そしてその方に一番ふさわしい助言をしたり、一緒に病院に行ってあげたり、関係機関への繋がりをつけていらっしゃいます。
「性教育」の大切さや、「子育て支援」の在り方の見直しが叫ばれている今日、ちょうど、その間にある「女性の妊娠」という人生の一大事にスポットをあてた支援活動は、今後ますます大切になってくることでしょう。

 代表理事の東田美香さんは、次のように述べています。

 あなたには、あなた自身と赤ちゃんの今後についての選択肢があります。

あなたの意思を最大限尊重するということは、あなたの意見を全部受け入れることではありません。法律や医療の都合で、あなたの思い通りにいかないこともあるかもしれません。それでも、わたしたちと一緒に悩みましょう。そして、どうすることがあなたにとっていちばんいいか、考えましょう。
 私たちは、あなたのとなりで、あなたにずっと寄り添います。(「キミノトナリ」パンフレットより抜粋)

 仙台教会ホームページでは、12月1日から連載で東田美香さんの生き方、そして「キミノトナリ」の活動をご紹介します。どうぞ、ご期待ください。

(仙台教会HP担当H.E)

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(写真はイメージです)

【10月17日 できないけど、させて頂く】
 「禅」の世界では、その境地に達していないと、まったくその意味するところが分からない言葉があります。例えば「山が動いている」、「片方の手のひらだけの拍手の音を聴く」等々。曹洞宗の開祖である道元禅師が中国での修行を終え日本に帰られたとき、自らの悟りの心境を“眼が横に並び、鼻は縦についている”とおっしゃられたとのことです。
 先日、仙台教会の近藤雅則教会長が、

「ある方がお役を依頼されたとき、“できないけど、させて頂きます”と言ってお役を受けられました。その方のお役の受け方、心境の素晴らしさに感動しました」

と言われました。
 その時私は、
(「できないけど、させて頂く」それってどういうこと??)
と、頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになりました。
(できないのに、なんでお役ができるの???)
 そんな思いを抱えたままの数日後のことです。
(いや待てよ、この言葉。自分も以前、聞いたことがある)
(誰かが言ってたぞ。誰だっけ?誰だっけ??)
と考え込んでいると、ふとある人物のお顔が浮かんできました。
(そうだ、「仙台わかば塾」のM副塾長さんだ!!)

 仙台教会では約6年前より、さまざまな理由で学習塾に通えない小・中学生のための無料学習塾として、「仙台わかば塾」を毎週日曜日に開塾しています。現在も、8名の小・中学生と1名の大学受験生が、ボランティア講師さんのもとで学びを深めています。
 その「仙台わかば塾」に、塾長職が空席の中、毎週、毎週、電車とバスを乗り継ぎ、往復3時間以上かけて、すべてボランティアでご奉仕くださっているのがM副塾長さんです。不言実行を絵に描いたようなM副塾長さん。実質の塾長として、塾を支え、塾生を思う献身的なお姿に、事務局の小生はいつも、いつも頭が下がるばかりです。
 仙台教会無料学習塾の提唱者であり、創設者である近藤教会長が三年前、当時不在となった塾長のお役を、M副塾長さんに依頼した際のM副塾長さんの言葉が、

「私は塾長の器ではありません。副塾長のままでお願いします。できませんが、させて頂きます」

というお返事だったのです。
 私はその言葉をようやく思い出し、胸が熱くなりました。
“できないけど、させて頂く”という言葉の意味が、少しだけ分からせて頂いた気持ちになりました。
 と同時に、(M副塾長さんの心の中には、きっと近藤教会長が“塾長”としていらっしゃるのだ)とも思わせて頂きました。
 今日は日曜日、M副塾長さんのもと、私も明るく、元気に塾生を迎えたいと思います。

仙台わかば塾

無料学習塾「仙台わかば塾」寸景

(仙台教会HP担当H.E)

【10月16日 シトラスリボン】
 「シトラスリボン」とは、シトラスカラー(柑橘をイメージした色、黄緑色)のリボンや紐で三つの輪を作ったものです。このリボンで表現する三つの輪は、それぞれ「地域」「家庭」「職場(学校)」を意味しています。
 この「シトラスリボン」をつけて、新型コロナウイルスの感染拡大の中で生じた、さまざまな差別や偏見をなくしていこうという取り組みが「シトラスリボンプロジェクト」です。
 四国の愛媛県の有志の方々が始められたプロジェクトで、愛媛の特産品である柑橘にちなんで,シトラス色(黄緑色)のリボンを身に着け,新型コロナウイルスに感染された方や、医療に携わる方(医療従事者、エッセンシャルワーカーの皆さまなど)に寄り添い,相手を思いやる気持ちを表すことで差別や偏見をなくしていこうという取り組みです。
 この取り組みは、現在、日本全国へと広がり、京都市、松江市といった地方自治体や教育機関、企業など、さまざまな組織、団体で実践されています。
 日本看護協会の調査結果によると、新型コロナウイルス感染が拡大した昨年、看護職員の約2割が以下のような「差別や偏見にあった」ということです。
・家族や親族が周囲の人から心ない言葉を言われた。
・地域住民から心ない言葉を言われた。
・学校で保護者である看護職員が入室を断られた。
・店舗や施設で入店を断られた。

また、厚生労働省のホームページにも、
・感染したことを理由に会社を解雇される。
・子どもが通院した病院で感染者が出たため、その子どもの保育園から通院が拒否される。
・感染者が発生した学校の学生やその家族が、飲食店などから来店を拒否される。
・感染者個人の名前や行動を特定し、SNS等で公表・非難する。
といった事例が載せられています。

 差別や偏見は、絶対にあってはならないもの。私も心して生きていきたいと思います。

シトラスリボン(表)

シトラスリボン(裏)

上記写真の「シトラスリボン」の結びは《「叶」結び》と呼ばれるそうで、表から見ると結びの中央が「口」、裏から見ると「十」の形に見えることが由来とのことです。差別・偏見のない社会の実現と、一日も早くコロナが終息することが“叶う”ようにと願いを込めて、家内と共に結んでみました。

(仙台教会HP担当H.E)

【10月15日 戻りカツオ】
 味覚の秋、「戻りカツオ」の美味しい時期となってきました。先日、久しぶりに見学した国立科学博物館(東京都台東区)で、「初カツオ」と「戻りカツオ」の標本見本をびっくりしました。それぞれの身体の断面模型が展示してあり、明らかに「戻りカツオ」の方が脂肪がのり、赤味も増して、倍近くの肉付きになっているのです。
 晴から初夏にかけての初カツオは育ち盛り。“初物”は縁起がいいとされ、江戸時代では歌にも詠われるほど重宝されました。一方、戻りカツオは餌をたくさん食べて、大きくなって、中には「まぐろ」にも負けず劣らず「とろカツオ」と呼ばれるものもあります。博物館での説明書きにも、〈味は戻りカツオ〉という趣旨の言葉もありました。
 カツオの子どもたちはまず北方の冷たく、荒い海に行き、たくさん泳ぎ回って、また暖かな南の海に帰ってきます。私も小さい頃、友だちと遊びながら、だんだんと遠くに出かけて、夢中になって遊び回り、やがて日が暮れる夕方になると、ふっとわが家、そして母親の顔が浮かび、泣きながら全力で走って家に帰ったことが思い出されました。そして、母親の顔を見るとほっとし、家庭の温かさ、ぬくもりを肌で学んでいったような気がしています。
 庭野日鑛会長は「斉家(せいか)」という中国古典の言葉を引用して、まず親が家をおさめ、整えることこそ、子供のより良き成長のために一番大切なことだと教えてくださっています。
「戻りカツオ」もきっと安心して、北の荒波にもまれ、成長して帰ってくるのでしょう。“温かな帰る場所がある”。そんな家庭づくりをめざしたいものです。

(仙台教会HP担当H.E)

【10月14日 笑顔の通信】
 この秋という季節。地球温暖化の影響で、だいぶ秋が短くなった気もしますが、〈人を芸術家〉にするとも言われ、また“人恋しい”季節でもありましょう。今月は、私の大恩師である庭野開祖の入寂の月。そして、来月11月はお誕生の月。庭野開祖のあの笑顔、お姿が折にふれて浮かんできます。

「ただいま、大聖堂6階礼拝席に、開祖さまがいらっしゃいました」
 本部職員のアナウンスのあと、毎月のご命日式典で、全国から参集した約5千から1万の会員は、皆立ち上がり、歓喜の声をあげ合掌し、満面の笑顔で庭野開祖を迎えます。本会の創立者の庭野開祖は、巡教などで本部を留守にする以外は、御命日の式典に必ず出席されていました。そんな会員の笑顔に、庭野開祖もあの“百万ドルの笑顔”で応え、深々と頭を下げ、会員に向って合掌礼拝をされます。
 以前、ひいきのプロ野球チームで、試合直後にグランドに降りることができるチケットが抽選で当たったことがあります。試合直後にまだ数万人の観客が残るグランドのど真ん中のセカンドベースに立った時、一人ひとりの顔がしっかりと見え、数万人の顔が識別できるではありませんか!
 きっと庭野開祖も、大聖堂に参集した会員一人ひとりの顔をしっかりとご覧になられ、喜ばれ、笑顔で合掌されていたに違いなかったことでしょう。
 会員の笑顔と庭野開祖の笑顔が一体となり、「信(信心)」が「通」じ合う。まさに《笑顔の通信》。
 このようなマスクで顔が見えない時機ではあっても、マスクの奥の笑顔は伝わります。だからこそ、“いつも笑顔を絶やさない”。より心がけたい私の実践だと思わせて頂きます。

(仙台教会HP担当 H.E)

開祖さま(8月使用)

“100万ドルの笑顔”といわれた庭野開祖

【10月13日 母のご恩の事~日蓮聖人ご命日によせて~】
 今日、10月13日は、日蓮聖人のご入滅から740年。ご降誕800年の意義ある年のご命日にあたります。日蓮聖人がご入滅(臨終)された「池上本門寺」(東京都大田区)では、お逮夜(たいや)に当たる12日の夜は、毎年約30万人に及ぶ参詣者で賑う「万灯練供養」行われます。しかし、今年も新型コロナウィルス感染予防のため中止となり、寂しいかぎり夜となりました。
 波乱万丈のご生涯や幕府や他宗への諫言など、日蓮聖人には厳しく、恐いイメージもありますが、実に人情こまやかで、民衆に優しく、情義を重んじられたご生涯でした。
 とりわけ、私が心を打たれたご事績は、お母さまへの報恩・大孝です。ご聖人が書かれた手紙の中で、

 父母のご恩は今初めて事あらたに申すべきに候はねども、母のご恩の事、心肝に染みて尊く覚え候

とあり、わが子のために己の心身を犠牲にして育児をする母親のありさまが書かれています。
 法難相次ぐさなかに、病気のお母さまへの看護のため、故郷(現在の千葉県)に帰られ、真心からの祈念によってお母さまの病を癒されました。また晩年、身延山に入山された聖人は、毎日の如くに身延の山から、彼方に続く故郷の空を見つめて両親の姿、大恩を思い浮かべ、涙ながらに合掌礼拝をされていたと伝えられています。
 弘安5年(1282年)10月13日、日蓮聖人は61年のご生涯を閉じられました。その折、懐中深く小さな紙包みの中に大切に持たれていたのが、お母さまの髪の毛でありました。どのような困難に遭われた時も、龍の口(神奈川県藤沢市)で処刑されそうになった時も、また流刑による厳寒、雪中の佐渡においても、お母さまの髪の毛に母を思い、共に過ごされてきたのでした。

 日蓮は泣かねども涙ひまなし

というお言葉を遺しておられます。
『法華経』に遇い得た喜びの涙と共に、父母を思い、弟子、檀家、民衆の幸せ、そして日本の安穏、平和を思う慈悲の涙であったと思えてなりません。

(仙台教会HP担当 H.E)

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日蓮聖人のご入滅の際、時ならぬ桜花が咲いたといわれています(池上本門寺にて、2013年4月撮影)

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