76歳、「認知症サポーター」として地域社会のために 笹森勝雄(角田支部所属)
- 2017/5/1
- 地域で創る
現在76歳になる笹森勝雄さん(角田支部所属)は、よりよい角田市づくりに向けて、公益財団法人 日本体育協会公認の「地域スポーツ指導者」として、また角田市の「認知症サポーター」としてボランティア活動に取り組まれています。今回は、さまざまな人生体験を経て、現在、地域社会でのボランティアに人生を捧げる笹森さんをご紹介します。
◇65歳からの「一念発起」
私は宮城県角田市生まれの角田市育ちで、トラックの運転を仕事としてきました。2006年に65歳で仕事を退職した後、立正佼成会の庭野開祖の「世のため、人のため」という教えを頂いていた私は、これからの人生を地域社会のために何かお役に立たせて頂きたいと一念発起し、まずは仙台大学の講座に通い「スポーツリーダー」の資格を取得しました。
「スポーツリーダー」資格とは、公益財団法人日本体育協会公認スポーツ指導者制度における基礎資格で、スポーツ指導の基礎的知識を学ぶことで、資格取得後は地域におけるスポーツ活動の定着化や活性化をサポートする役割を担っていきます。
「スポーツリーダー」の資格取得後は、「地域ヘルスケアパートナー」として、平成14年4月1日にオープンした角田市総合保健福祉センター(愛称:ウエルパークかくだ)にて、毎月第4日曜日に「スロージョギング教室」の講師を務めさせて頂き、主に「脳トレ」を担当しています。「スロージョギング」は老若男女問わず誰でも始められ、「筋肉増強」や「高血圧予防」に効果があります。
ぜひ皆さんも始めてみるとよろしいかと思います。
また、その他にも、「里山ウォーキング」、「ヨガ健康法」、「わくわくダンス&ヒューストン(吹き矢)」など、さまざまなスポーツ教室を他のリーダーの方と担当させて頂いています。
◇認知症の方とも心は通い合える!!
角田市では「認知症になっても笑顔で過ごせるまち角田市」を目指して、「認知症サポーター養成講座」を開講して、市民の皆さんのすべてが認知症やその介護方法を理解していく取り組みを推進しています。
現在、講座を受けた「認知症サポーター」は市内に約2,000名いらっしゃり、受講者は「認知症サポーター」の証として、角田市から「オレンジリング」が贈呈されます。
私も「認知症サポーター」の一人であるとともに、そのインストラクターとして角田市内の学校の生徒やPTA、あるいは地区での集まり、老人クラブ、婦人会等々で、「認知症サポーター養成講座」の出前講座をさせて頂いています。
その出前講座では、例えば「自分のことを忘れてしまっている認知症の方には、どのようにふれさせて頂くか?」、「道に迷っている認知症の方がいたらどう対応させて頂くか?」といったことを講話や寸劇などを通して、認知症の方とのより良い関わり方を具体的に学んでいきます。
この「認知症サポーター」としてのボランティア活動を通して学ばせて頂いたことは、
《たとえ頭は「認知症」という病気になっていても、その人の心はちゃんと生きていらっしゃる》
ということです。つまり、優しく接してくれる人には、その優しさが分かります。逆に厳しく叱る人に対しては、この人は怖い人だと心の中ではちゃんと分かっているのです。たとえ認知症でボケてしまっている方とも、必ず心を通い合わせることができるのです。
ですから、私は認知症の方とも、同じ目線で、同じ高さでふれあいを持たせて頂いています。
◇喜びの笑顔が元気の源
私は現在76歳ですが、お陰さまでこうして「ボランティア活動」をさせて頂き、今日も元気に過ごさせて頂いております。皆さんの喜びの笑顔が、まさに私の元気の源です。
ここで長年にわたって私を陰でしっかりと支え、家を守ってくれている家内に心から「ありがとう」と言わせて頂くと共に、趣味で詠んでいる短歌と川柳のいくつかを紹介させて頂き、今回の私の話の結びとさせて頂きます。
老夫婦 小春日和の 縁側に
しばしまどろみ 安らぎており
祭りの夜 つないだ手と手が 懐かしい
初孫が よちよち歩く 庭先で
春の薫りに 感謝するかな