こころの彩時記7 もし、お釈迦さまが「成道」されていなかったら!?
- 2016/11/29
- 自分を創る
過去や歴史に「もし」はないと言われていますが、例えば、もし織田信長が本能寺の変で生き延びていたら、豊臣秀吉、徳川家康はどうなっていたでしょうか?その後の日本はどうなっていたでしょうか?興味が尽きません。
私たちが住む東北地方でいえば、
もし、平安時代の初期、蝦夷の指導者であったアテルイが坂上田村麻呂に勝っていたら。
もし、鎌倉時代の初期、奥州平泉の藤原氏と源義経が鎌倉幕府軍に勝っていたら。
もし、戦国時代に伊達政宗が天下を取って、”仙台幕府”が開かれていたら。
もし、楽天イーグルスに岩隈、田中両投手が残留していたら。
きっと、今とは違った世界が現出し、展開されていたことでしょう。
日本女子の駅伝レースの最高峰と言われる、実業団女子駅伝『クイーンズ駅伝2016』が、11月27日(日)に宮城県で開催されました。松島町中央公園前からスタートして塩竈市、多賀城市を経て仙台市に入り、仙台市陸上競技場にゴールする42.195kmのコースです。かつて、高橋尚子、野口みずきといったオリンピックランナーや日本を代表する女子ランナーが駆け抜けた大会です。
その大会を間近に控えた11月中旬、参加チームの一つである某企業の選手やコーチの皆さんと、偶然、合宿所となった仙台市内の旅館に数日間、一緒に宿泊しました。そのチームは日本陸上界では著名なコーチを迎え大幅な世代交代をはかり、平均年齢も20代前半。予選会を好成績で突破して、ダークホース的な存在として注目されていました。
朝は4時過ぎには各選手が宿の廊下で腹筋や背筋の自主トレーニング。その後、5時にはランニング。食事も必ず納豆、野菜、ヨーグルト中心とした献立、昼間も一日中練習し、夜間も夕食後、各自が自主トレーニング。まさに、これ以上の練習があるのかというぐらいの努力、打ち込み用でした。
そして、いよいよ当日、松島町文化観光交流館前を12時15分スタート。ところが、実績ある第1走者がまさかの脱水症状のアクシデント。大幅に遅れをとります。その後、他の選手が猛烈な追い上げをみせましたが、来年のシード権獲得には至りませんでした。
‟もし、第1走者が普段の実力を発揮していたら・・・”
しかし、その夜、第一走者をけっして責めることなく、みんなで励まし合い、翌朝、来年に向けてのリベンジを胸に、選手みんなが満面の笑顔で宿を後にしたそうです。
12月8日は、お釈迦さまがお悟りを開かれた日。
今から約2500年前、インドのブッダガヤにおいて、明けの明星がキラキラと輝く早朝、お釈迦さまの本名であるゴータマ・シッダールタ王子はお悟りを開かれ「ブッダ」(真理を悟った人、覚者)となられました。
‟もし、シッダールタ王子がお悟りを開かれなかったら・・・”
この世に「仏教」そのものが存在しないことになり、八万四千といわれるお釈迦さまが説かれた「教え」が存在しません。観音さまも、お地蔵さまもいらっしゃらない。日本でいえばお寺はいっさいない。仏像もない。弘法大師、道元禅師、日蓮聖人といった仏教の偉大な先達もいない。ましてや、お釈迦さまの教えで救われた無数ともいえる数限りない人たちは、一体どうなったのでしょうか?そして、私たちは・・・。
お釈迦さまの人間としてのお誕生日は4月8日です。ならば12月8日は、お釈迦さまが「仏」(ブッダ)として‟生きながらにして生まれ変わったお誕生日”ともいえるでしょう。
そんな、仏さまとしてのお誕生日である12月8日「成道会」を、心からの喜びと感謝でお迎えしたいと思います。
宗教は手本によって燃えつづける火である。
人に伝えられなければ消えてしまう。ジュベール(フランスのモラリスト。1754年-1824年)