「ダメ。ゼッタイ。」 〜薬物乱用の現状と啓発活動の大切さ 3~ 深澤 逞(大崎地区薬物乱用防止指導員協議会 会長)

薬物乱用の根絶に向けての取り組みを長年にわたり続けていらっしゃる、深澤 逞先生(大崎地区薬物乱用防止指導員協議会会長、薬剤師、有限会社 健康堂薬局会長)から、薬物についての基礎的な知識と乱用の怖ろしさ、そして薬物乱用防止に向けての啓発活動についてお話を頂戴しました。今月はその第3回です。

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深澤 逞先生

薬物の乱用による身体に与える影響としては、以下の症状が現れます。

○薬物の効果が切れるとイライラしたり、落ち着かなくなる。

○薬物が欲しくなって自分をおさえきれなくなる。(精神的依存)

○薬物への欲求が強くなり、暴力を犯しても手に入れるようになる。(肉体的依存)

 そして、怖ろしいことは、《脳そのものが破壊され、一度、壊れた脳はもとに戻らない!》という事実です。
 下図をご覧頂けばお分かりの通り、薬物乱用により脳そのものの機能が壊され、精神の障害が現れます。

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 例えば、側頭葉や小脳が壊されてしまうと、実在しない音が聞こえたり(幻聴)、手足がふるえ手足のスムースな動きが損なわれたりなどの症状が現れるのです。

 さらには、「フラッシュバック」(注1)という「自然再燃現象」が一生つきまとうということです。薬物の乱用で、ひとたび幻覚、妄想などの精神症状が現れると、治療によって表面上は回復しているように見えますが、何らかの刺激(お酒を飲んだり、ストレスなど)によって、突然、幻覚や妄想などが再現します。このフラッシュバック(自然再燃現象)は半永久的に続くのです。

(注1)覚醒剤・麻薬の常用者であった者が、使用を止め長期間経た後に、アルコール摂取や精神的ストレスなどが原因で突然常用時と同じ幻覚などの症状を示すこと。

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 このように、たとえば友だちに誘われたり、興味本位であったり、また一度きりなら大丈夫だろうといった安易な気持ちで行った行為が、その人に一生つきまとい、やがてその人を肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも廃人としてしまうのです。

「ダメ。ゼッタイ。」

薬物乱用によって破壊された脳は元に戻りません。その害は、一生涯、続いていくのです。

(次回はいよいよ最終回です。更新は11月1日です)

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